琥珀 


 いやぁ、これを見た時は驚きましたよね……なんでもゼルレッチとかいうパラケルススみたいなジジイが、賢者の石を水で溶かした液体らしいんですけど…発生した気体が主体的な意志を持つなんて!
 まぁ、この琥珀というエーテルみたいな意味不明の気体は式の唯一の心の拠り所です。両義家で唯一、人語を解する意志集合体なわけですから。
 この娘との恋愛は…痛かったです……彼女には豊かな表情もあり(もっともそれは気泡の具合でしかわかりませんが)、しかもしなやかで柔軟な、言葉がある。でも肉体が無い。『抱いて』って言うんですけどね……できるはずないじゃないですか、そんなの。
 でも式はやっちゃうんですよね。アルクウェイドの触手に操られながらですけど………あんな悲劇はもうたくさんだ……!!うぐぅ!!
 だって、だって、…試験管が割れちゃうんですよ。まぁ、そりゃあ…そうでしょうけど…。割れなかったら逆に大変ですよ!!
 実は琥珀は、精神体として翡翠と双子なんです。翡翠の機体に翡翠の精神体が宿っていると考えてください。だから、……ふふ。実は結構入れ替わってるんですよね。もちろん全然外見的には変わらないわけですから……!わかりますよね。古典的なミステリです。実は全ての事件の主犯はこいつだったりします。